ネット批判を風刺する作品(高校入試 湊かなえ)
昨日、湊かなえの”高校入試”を読み終えた。
ゴールデンウィークのせいで乱れた生活習慣によって
朝の5時まで読んでしまったのであるが。
猛烈に集中して読んでしまうくらい面白い作品であった。
この作品で最も印象に残った言葉は?
と聞かれると即答できるくらいに印象に残っている言葉がある。
”たとえ無記名でも、悪意のかたまりである言葉は心を破壊するくらい恐ろしい力を持っているんです。放った本人にはわからない、他人にもわからない、言葉を受けた本人だけが、息もできなくなるような苦しみを受けるんです。”
いや、即答できるような長さではないか。
これは物語終盤に放たれた言葉であるが、私の胸にはぐさりと刺さり、
そのときは、鳥肌が立つほどであった。
最近は、芸能人の失言がよく炎上しているのを見かける。
このような炎上の中の批判コメントを見ていると、
非常に腹立たしい気分になるのだが、心無いコメントを書いている人たちにこの言葉をよく考えてほしいものである。
とはいえ、ネット批判ではなくとも、この言葉は普段の友人とのコミュニケーションにもあてはまる。心無い一言を吐く人は案外多い。
私もおそらく知らず知らずに誰かを傷つけているのだろう。
この本を、自分の発言を見直すきっかけにしたい。